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辻朱穂

母の日 3人の母へ

皆さま、こんにちは。
M-STEP認定カウンセラーの辻朱穂です。

昨日(2022年5月8日)は「母の日」でしたね。
私は子でもあり母でもあります。
「いつもありがとう」と感謝の言葉と共にカーネーションをもらったお母様方も、贈ったお子様方もいると思います。
私みたいに、母だけど誰からもなーんにもなかったよ!って方もたくさんいらっしゃると思います。

ステップファミリーで育った私には「母」が3人いると思っています。
生んでくれた母(実母)と、育ててくれた母(継母)と祖母です。
生前は祖母にも敬老の日ではなく、母の日に贈り物をしていました。
実母も祖母も亡くなった今は、継母に贈り物をしています。
今年も無事に贈り物が届き、継母からお礼のメッセージを受け取りました。
短い文章ではありますが、お互い近況報告をし、健康を気遣う言葉を伝えあうことができて幸せです。

私の3人の母のうち、実母とは私が1歳になる前に別居しました。
そのため、私にはどんな母であったか記憶にはありません。
その後、父と祖母との3人の生活をしていましたが
私は3歳から一緒に暮らし始めた継母を中学生まで実母だと思っていました。
ですので、実母の存在を知らず、実母に対する感謝の気持ちは持っていませんでした。
その後も、なぜか実母に会いたいという気持ちが芽生えないまま時が過ぎ
40歳間近で財産分与の件で弁護士さんから連絡があり、実母の他界を知りました。
今となっては、実母にも1度でも会っていたら良かった、「生んでくれてありがとう」と伝えたかったと思います。

私が離婚に際し親権が取れず、子供たちと別居することになった時、初めて実母の気持ちが少し分かった気がしました。
私は子供たちの未来を考えた時、子供たちと離れて暮らすという選択をせざるを得なかったのですが
決してそれは私が望んだ結果ではなく、身を引き裂かれるような痛みを伴うつらい決断でした。
周りの人からは、いまだに「普通、離婚しても子供は母親と暮らすよね?どうして親権が取れなかったの?」と聞かれます。
そんな時私は「普通」って何ですか?って心の中で叫んでいます。
傷をえぐられるのでつらい言葉です。

実母も自分が産んだ子を手放さなければならなかった事情があったと思います。
実母は男の子を3人、女の子は1人出産し、この1人の女の子が私でした。
ひょっとすると、私のことを思い出して、どんな娘に育ったかなと想像してくれていたかもしれません。
今日は実母に「私はこんなに幸せに生きています、お母さんが産んでくれたから、今の私があります」って手を合わせました。
弁護士さんから聞いた話によると、実母も最期は、愛する人に大切に守られて
不自由ない生活ができていたことを知り、本当に安心したことを思い出しました。

2人目の母は祖母ですね。
祖母は父を含め3人の男の子を生んでいますが、女の子が生まれなかったので、私を本当の娘のように育ててくれました。
美容師でしたので、私の髪の毛をカットするのも、上手に可愛く結わえてくれるのも祖母でした。
おしゃれでおしゃべり好きで、底抜けに明るい人でした。
2度目の父の離婚後も、母親代わりとなって私と弟を一所懸命育ててくれました。
「おばあちゃん、あなたのおかげで私は女性の強さを知りました。笑顔の大切さを教えてくれてありがとう」

3人目の母は継母です。
私が再婚(事実婚)し継母となり、私を育ててくれた継母に対する感謝の気持ちは一層深まりました。
継母がステップファミリーを始めた時代は今のように支援団体もなく
つらい気持ちを気持ちを共有したり、乗り越え方を学ぶ場もなく
20代前半で初婚でいきなり3歳の子の母親になるって、本当に大変だったと思います。

祖母に甘々に育てられた私は、なーんにもできない子だったと思います。
食事中、私の口が汚れたら祖母が横からさっと拭く。
祖母のおかげで私は自分で注意を払うことなく、いつも安心安全な環境でいられました。
そんな私を自立に向けて教育しなくっちゃ!と継母は一所懸命だったと思います。
当時は厳しい母親と思いましたが、今ではそれが感謝に変わっています。
継母には一番手がかかる時期に、「真剣に向き合って育ててくれて本当にありがとう」と伝えました。

私は子供としてこの3人の母に対して感謝の気持ちを伝えることができましたが
一方で母の立場では離れて暮らす子供たちからは音沙汰もなく、普段通りの1日が過ぎました。

「母の日」は立ち止まって、振り返ったり、今ある幸せに気が付くためのきっかけにはなると思いますが
私の子供たちは会った時にはきちんと感謝の気持ちを伝えてくれるし
何より元気で楽しく生きてくれていることが、母として最高に幸せだと思います。

「ない」に目を向けるのではなく「今ある」ことに目を向けられると自然と感謝する機会が増えますね。
毎日こんなに頑張っている私に、感謝の気持ちが伝わらない!なんて思わずに
私が作った食事を食べて元気でいくれてありがとう、私がいる家に帰ってきてくれてありがとう
なんでもいいので小さいことを見つけたら最後に「ありがとう」をくっつけてみてください。

そして家族が安心安全な環境を整えている私って最高!って自分で褒めちゃってくださいね。
なんなら自分にご褒美を与えちゃいましょう。
家族に内緒でスイーツ食べる、お花を買う、好きなアーティストの音楽を聴く、お昼寝するとか
普段できないことや我慢していることでも簡単なことから取り入れて
少し肩の力を抜いて自分のご機嫌を取ることを許可していってくださいね。



認定カウンセラー
辻 朱穂
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