子育てが楽になるヒント 『課題の分離』
わたしは、7年前、子育てに行き詰まっていました。
これは何の修行?と苦痛に感じたり、イライラしたり…
母親になったのは間違いだった…と自分を責めたり…
コレでダメなら、子どもを施設に預けよう、と決めて、アドラー心理学をベースにした子育てを学びました。
その後も、失敗はたくさんありますが、子育てが断然ラクになり、子どもとの関係が安定しました。
今、悩み苦しんでいる方が、少しでも楽になっていただけたら、という想いをこめて、育児のヒントをお届けいたします。
【課題の分離】
子育てのイライラや悩みが発生したら、まず『誰の課題?』と考えます。
こどもの課題は、こどもが解決します。
子育てのゴールは『自立』です。
失敗も含めて大切な経験値。こどもは、経験から学んで、生きる力をつけている最中。
親は、心配のあまり、手や口を出したくなりますが、実は『何かサポートできることはあるかな?』と聴くくらいしかできないのです。
だからといって、『困るのはこども!』と放置したり、見放すのではありません。
『困ったら相談してね』の声かけや、人生の先輩として、SOSが来たら一緒にアイデアを考えることはできます。
そして、親がすることは、自分の課題を解決するための行動です。
・心配や不安を解消するために情報収集する
・こどもの言動、周りの反応や評価に一喜一憂しない力をつける
・子育てを学び、ブレない自分軸の育児法を身につける
親自身がやれることは、たくさんあるのです。
また、親がこどもの課題を解決する副作用としては、
・親の顔色をみる
・親の指示がないと動けない
・親のせいにする
・思春期以降は、親子関係が悪くなる
(口うるさい!とウザがられる)
これが嫌であれば、課題の分離を身につけることをおススメします。
(例)
⭐︎宿題をしない
学力が下がる、先生に注意をうける
→こどもの課題。
宿題をしないとどうなるかを学ぶチャンス
宿題をしないことの結末が心配
→親の課題
○気持ちを伝える
お母さんは、宿題をしないと〇〇になることが心配だよ。君はどうかな?
…確認はしますが、やるかやらないかは、こどもの権利です。
○学力が下がった場合の対策を考えておく
…受験できる高校、通信制など、さまざまな道を知る
(不登校でも、行ける高校はたくさんあります)
⭐︎朝起きない
遅刻する、ご飯を食べる時間がない、慌てて忘れ物をする
→子どもの課題
遅刻する結末が心配、送迎で親が仕事に遅刻する
→親の課題
○不安な気持ちを伝える
○何時までなら送れるけど、それ以降は送れないよ、とあらかじめ伝える
『協力はするけど、自己犠牲はしない』親も自分の人生を生きて良い
○起きたいけど起きられない場合は、こどもと話し合って協力して欲しいことを聴く
・何時までは起こせるけど、それ以後は難しい、など伝える
・自分で起きられるようになって欲しいから、○日からは、自分で起きてね、と伝える
・目覚まし時計を一緒に選ぶ
・時間がなくても食べられるバナナなどを用意しておく(1食くらい食べなくても死なない、と割り切る)
⭐︎片づけない
なくしものが増える、落ちているもので怪我をする→こどもの課題
部屋が汚いと不快、イライラする
将来、片づけられなくなるのでは?と不安
無くしたものを買わなくてはいけない金銭的負担
→親の課題
親の困っている気持ちを伝えることはできますが、片づけをするかしないかは、こどもに選ぶ権利があります。
気持ちを伝えても片づけない場合は、
『お母さんは、リビングが綺麗な方が心地いいから、荷物は部屋に運んでいいかな?』
『虫がわくと嫌だから、何曜日には掃除機をかけていいかな?その時、明らかなゴミは捨てるね』
など、提案することはできます。
今、自主的に片づけられない場合は、スモールステップで取り組む必要があります。
できた!の経験を積んでスキルアップしていきます。
・ゴミを捨てられた
・お皿を下げた
・おもちゃや、服を1つでも片づけた
などの行動がみられたときに、
ありがとう!助かるよ!気持ちいいよ!
など、行動にプラスの言葉かけをしていくことで、次のステップにつながります。
親からしたら、当たり前に思えるようなことも、子どもにとっては、大きな一歩です。
また、将来が心配、という声をよく聞きますが、大人になると自ら様々な工夫を身につけることができます。
例えば私の場合、片づけが苦手、を自覚しているため、持ちものは少なくしています。
友人の場合は、週1回、家事代行を依頼して片づけサポートをしてもらっています。
こどもの頃から、困ったときに自分で解決するスキルを身につけていれば、大人になってから自分自身で乗り越えていくことができるのです。
将来が不安であれば、ぜひたくさんの経験値をプレゼントしてあげて欲しいと思います。
どの問題も、親子関係が良い場合は、共同の課題として、親子で解決できます。
親子関係が悪い場合は、まずはそれぞれに課題を解決しながら、親子関係の修復を行っていく必要があります。
次回は、親子関係修復に1番効果的なテクニックをお伝えしますね。