2026年06月11日 望月ゆき
家族になろうとしているのになぜすれ違う?~ステップファミリーの夫婦関係~

「幸せになりたい」
「今度こそ温かい家庭を築きたい」
そんな思いで再婚を決意した方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、
「子どものことになると夫婦で意見が合わない」
「なぜかパートナーとの距離を感じる」
「こんなはずじゃなかった」
と悩まれることも少なくありません。
ステップファミリーでは、夫婦と子ども、それぞれの家族になるスピードが違います。
夫婦は時間をかけて関係を築き、将来について話し合いながら再婚を決めます。
一方で子どもたちは、大人と同じスピードで気持ちが追いつくとは限りません。
また、実親には子どもの不安や戸惑いが見えやすく、継親には家族として関わろうと努力しているという自分の思いがあります。
どちらも家族を大切に思っているのに、見えている景色が違うことで温度差が生まれすれ違いにつながることがあります。
さらに、ステップファミリーには特有の「構造」があります。
夫婦関係だけで成り立つ家族ではなく、
実親と子ども
継親と子ども
夫婦
という複数の関係性が同時に存在しています。
それぞれが異なる経験や思いを抱えながら生活しているため、誰かが悪いわけではなくても、すれ違いや葛藤が生まれやすいのです。
だからこそ、ステップファミリーの課題は愛情が足りないから起きるものではありません。
家族の形が複雑だからこそ、時間と理解が必要なのです。
今うまくいっていないからといって、失敗しているわけではありません。
悩みや迷いがあるのは、それだけ真剣に家族と向き合っている証でもあります。
大切なのは誰が正しいかを決めることではなく、お互いが見ている景色を知ろうとすること。
そして、完璧な家族を目指すのではなく、その家族らしい形を少しずつ見つけていくことなのかもしれません。
また、ステップファミリーでは「自分が頑張ればなんとかなる」と思いやすい一方で、実はそうではないことも少なくありません。
例えば、
継親がどれだけ歩み寄ろうとしても、子どもがすぐに心を開くとは限りません。
実親がどれだけ願っても、パートナーと子どもの関係が思うように進むとは限りません。
それは誰かの努力不足ではなく、相手の気持ちや選択までコントロールすることはできないからです。
私たちにできるのは、自分自身の言動や関わり方を選ぶこと。
相手がどう感じるか、どう受け取るか、どんなペースで関係を築いていくかはその人自身の課題でもあります。
だからこそ、
「どうしてわかってくれないんだろう」
「もっとこうしてほしい」
という思いに苦しんだ時には、
自分ができることと、相手に委ねる部分を分けて考えてみることも大切です。
選択理論ではこれを【課題の分離】と言います。
家族だからといって、すべてを理解し合わなければならないわけではありません。
違いがあってもいい。
歩幅が違ってもいい。
お互いのペースを尊重しながら関係を育てていくことも、ステップファミリーにとって大切な家族の形のひとつなのです。


